こんにちは、ケロクマです。
今回はアーチェリー 歴7年で、高校生の時にUー17(17歳以下日本代表選考会)に出場したり、大学生の時には全日本室内で9位になったケロクマが、『目標達成のための目標設定のやり方③練習の目標設定方法』について解説していきます!
前回、前々回までは目標設定の基礎のお話しと試合での目標設定についてお話ししてきました。
前回までに試合目標のお話をし、試合目標がわかったため次のステップである練習目標に移ります。
結構大変な作業ではありますが、目標達成するためには目標からやるべきことまでを細かく分解することが重要です。
練習の目標を設定するポイントは
- 自分の現状を知る
- 試合の目標を細かいところまで分解する
- 目標達成に必要なことを全て書き出す
目標を細かく分けてやるべきことを明確にし、行動に移す。これができると、日々の練習の質も上がり目標達成に向けての練習ができるので目標達成率も大幅に上がります。
ぜひ、時間のある今だからこそできると思うので何がなんでも目標達成したい!という人はやってみてください!
【今回の記事を読むメリット】
- 練習の目標設定のやり方がわかる
- 目標達成に必要なやるべきことがわかる
- 目標達成に向けて質の高い練習ができるようになる
自分の現状を知る
まず一番最初にやることが自分の現状を知るということです。自分の現状を知るためには
- 現状で練習と試合で平均し、何点射てるかを知る
- 練習と試合での点数の差を知ること
の2つです。
今回は、女子で試合で615点を平均的に射つ人を例としてみていきます。目標は前回の続きで「全日本選手権でベスト8」になることです。
前回までの試合の目標設定でわかったことは、
- 最終目標は「全日本選手権ベスト8」
- 予選を通過するための点数が女子(平均):620点、男子(平均)640点
- 全日本選手権に出場するためには女子620点、男子630点以上を1回以上射つこと
- トーナメントで勝つためには、27,28点を平均にたまに29を射つ
というところまででした。
とりあえず申請点数が620点でわかったからそれを目指して練習すればいいやとなりがちですが、自分の現状を知らずに練習しても意味がありません。
それどころか、目標達成すらできなくなります…。
理由は3つあって
- 自分が目標とする点数を練習では射てるが試合で射てるとは限らない
- 練習と試合での点数差がわからないとそれを埋めるための練習ができないため
- 結果として目標点数に届かないから
そのため、自分の現状を知って今自分に何が足りてて何が足りていないのかを知る必要があるのです。
点数の目標設定
続いては、点数の目標設定のやり方についてお話ししていきます。
今回の例を女子で615点を平均に射つAさんとしましょう。Aさんは練習では620点を平均に射ちますが、試合では615点が平均。今まで試合で620点を超えたことはありません。
点数設定のやり方をみていくと、
- 全日本選手権に出場するためには最低でも620点が必要。しかし、カツカツだと出場できない可能性があるため、余裕を持って630点を狙う
- 試合で630点を出すためには、今の平均が615点なので、あと15点上げる必要がある
- 練習と試合で平均して5点の差があるため練習では、➕5点した635点を目指す。
➕5点する理由は、練習では射てても試合で点数が下がる場合、練習から下がる分の点数をプラスして射たないと試合で本当の点数がでないからです。
今回の例だと
- 630点を試合で出す
- 練習と試合では5点の差がある(練習の平均:620点、試合の平均615点)
- 5点差を埋めるには練習で635点を平均して射たないと埋まらない。
という感じで目標設定をしていきます。
Aさんの点数目標は、試合で630点を出す、練習が635点を平均的に射つということになります。
目標設定のために自分に足りないものを全て書き出す
点数での現状把握と目標設定ができたら、次は目標点数を出すために必要なこと全てを書き出します。
具体的には、
- 射形
- コンディション面(体調管理の面)
- 筋トレなどのトレーニング
- メンタル関係
- 点数
などたくさんありますが一つずつ見ていきます。
が、その前に射形やメンタルはわかるけどなぜ体調管理や、筋トレもあるの?と思われたかもしれないので理由を書いておきますね。
理由は、
- 身体が資本であるため
- 筋トレなどをして身体づくりをしないと、目標達成に届かないため
- 射形を変えたり、点数を上げるためには筋トレで身体づくりをし、体調管理で練習や試合で勝てる身体にするため
運動をするということは、自分の身体が1番の資本です。ここを飛ばして上手くなることはないので、コンディショニング(体調管理)や、筋トレの要素も入るのです。
射形
射形に関しては、今自分が課題としてることで大丈夫です。もしくは、これから修正していきたい部分でも構いません。
例えば、引き手が弱くなる(伸びが途中から弱くなっていく)という課題があったとします。次に引き手が弱くなる原因を書き出します。
- 引き手が弱くなるのは弓の力に負けている
- 狙いにいって伸びることを忘れてしまう
- 伸びているつもりで全然伸びることができていない
etc・・・
考えつく限りのあらゆる原因を書き出します。
次にそれぞれの対処を書いていくと
- 弓の力に負ける→体力がないので筋トレや弓トレをして弓に負けない身体を作る(筋トレとコンディショニング)
- 狙いにいかずにアンカーに入ったら伸びることしか考えない(射形)
- 自分が思ってる以上に伸びを強くしてみる(射形)
etc…
という感じで課題を考えつく限り書き出します。また、出てきた課題がどの項目に入るかを理解しておくと、何をすれば課題が解決されるのかがわかりやすくなります ※()の部分。
ここまで課題が出てきたら後は練習で実践して解決していくのみです。
コンディショニング管理(体調管理)
これに関しては、日常生活での生活習慣や食事面での見直しになります。
コンディショニング管理の詳しいやり方は、こちら💁♀️
実際にどんなものがあるのか例をだしてみると、
- 睡眠を7〜8時間確保する(疲労回復)
- 筋トレ後にプロテインを飲む(身体作り)
- 練習から帰ってヘトヘトでもちょっとでもいいから食べる(栄養補給・身体作り)
- お風呂上がりにストレッチする(疲労回復・怪我予防)
- 湯船に浸かる(疲労回復・リラックス)
- 栄養バランスを考えて食べる(身体作り)
- いつもより多く射った日は、いつもより多くストレッチする(怪我予防)
- 整骨院などで身体のケアをする(動きやすい身体づくりと怪我予防)
※実際に私が現役の頃にやっていたものになります。体調管理や身体づくりにおいて必要なことを書き出します。
また、各項目ごとにどういった目的があるのかを書いておくことでなぜそれをやるのかがわかるため継続しやすくなります。
もちろん、この項目は人によって変わるので自分の今の生活習慣や食習慣を見直して設定していきます。特に整骨院は月一回でも通えるなら通うことをオススメします。
少し私の体験談を話すと、私が現役7年間やってきて一度も怪我をしなかったのは、整骨院での身体のケアが大きいです。
整骨院に行くメリットは、
- 一人ひとりにあった身体のケアをしてもらえる
- 身体を動きやすくしてもらえるので怪我の予防につながる
- どんなストレッチや筋トレがいいのか教えてもらえる
- 身体のプロにみてもらえるので、自分の体の癖を知ることができる
ケロクマオススメの整骨院さんのURLを貼っておくので気になった方は覗いてみてくださいね😌
さて、話を戻しますがそれぞれ何が必要かわかれば、更に掘り下げられるところまで掘り下げます。
朝起きる時間から逆算して考えますよね。朝6時に起きると考えると、夜10時から遅くとも11時までには寝る必要があります。
- 寝る時間を11時
- お風呂で約30分
- ストレッチを30分とすると10時にはお風呂に入らないと11時には間に合わない
という感じでスケジュールを組むと日常生活の中に取り入れやすくなります。細かく分解できるものは分解して出来るだけ明確になるまで分けます。
運動する上で、身体が1番の資本であることは間違いありません。また、勝つためにも身体作りは欠かせない要素です。
どれだけ高い技術を持っていたとしても日々の体調管理が出来ていないと試合や練習で力を発揮することができません。
一生懸命練習しているのに、コンディショニング管理をおろそかにしたせいで試合で勝てないなんていやじゃないですか?
それを回避するためにもコンディショニング(体調管理)はとても重要です。
コンディショニング管理についてもっと詳しく知りたい方はこちらがオススメです。
私が現役時代お世話になっていたものです。
筋トレなどのトレーニング
コンディショニング管理についてわかったので次は筋トレなどのトレーニングについて解説していきます。
アーチェリーをする上でも身体作りは欠かせません。
主にどんな筋トレをするのかですが、
- 腕立て、腹筋などの基礎トレーニング
- 体幹トレーニング
- ランニング
- 弓トレ
- インナーマッスルのトレーニング
※インナーマッスルとは、身体の深いところにある筋肉のこと。深層筋のことです。
etc…
が主なものになります。
点数を出すためには、射形を変えることも必要で、変えた射形を維持するためにも体力が必要になります。
また、射場を変える時に体力が無いと思うように弓をコントロールできず結果的に射形を変えるのが難しくなります。
主な筋トレメニューややり方については別ブログで解説しますが、今上げたものを参考に筋トレを取り入れていきましょう😌
例えば、
- 射った時に軸がブレるのであれば体幹トレーニング
- 肩まわりの怪我を防ぐ、伸びを維持するためにはインナーマッスル
- そもそも体力が無い場合は基礎トレーニングとランニング
- 弓に負けてしまう場合は弓トレ
という感じで、自分の今の状況をみて必要な筋トレを取り入れていきます。
ただし、軸がブレないから体幹トレーニングはしなくていいというわけではなくそれを維持するためにもトレーニングは継続しましょう!当たり前ですが、筋トレは継続しないと筋力・体力共に落ちていきます。
筋トレの後のストレッチも忘れずに!
メンタル
ここでいうメンタルは、試合で緊張したりしてしまうことを表します。
- 予選は緊張しなくてもトーナメントになったら突然緊張して思うように射てなくて負けてしまった
- 試合の雰囲気にのまれて、予選から思ったように射てなかった
という経験は一度はあるかと思います。アーチェリーはメンタルが8割〜9割を占めると言われているので技術も大切ですがメンタル面の強化も大切です。
メンタル強化においては、自分がどんな時に緊張するのかを知ることです。
- 予選では何もなくて、トーナメントで緊張するのか
- 予選からずっと緊張しているのか
- トーナメントを勝ち上がることで緊張するのか
- 試合で点数を出さないと、勝たないとと思って緊張するのか
etc…
自分がまずはどれに当てはまるのかを把握します。タイプを知ればそれに合った対処を練習からできるので試合でも緊張しづらくなります。
しかし、練習でできても試合で出来なければ意味がないので結局は試合にたくさん出て試合慣れをし、メンタル面を鍛えるのが一番手っ取り早いです。
ただ、そうは言われても難しいと思うのでケロクマがどうやって緊張をほぐしてメンタル面を強化していたかをお伝えします。
ケロクマのメンタル強化方法
わたしの場合は、
予選は何もなくてもトーナメントになると緊張するタイプで、大きな試合で知っている人がいないと緊張するなどもありました。
そのため、私がやっていたメンタル強化方法としては、
- とにかく記録会や試合に積極的に参加して試合の雰囲気に慣れる
- 人と話すことで緊張がほぐれて集中できることがわかったので私の場合は、なるべく試合前は誰かと話すようにした※ 人によっては、音楽を聴いて集中するなど色々あります。
- 射つとき:周りの点数などは一切気にせずとにかく自分のやるべきことに集中する
の3つです。
大体これで緊張することなく試合で射てるようになったので、ぜひ試してみてください。
トーナメントになると相手チームの応援などが聴こえてくるので、
- 相手チームの応援も全て自分への応援だと思うこと
- 相手が特に自分より上手い人だった→思い切り射ってそれで負けたら仕方ないくらいの気持ちで射つこと
- リードされていても焦らずに、リードされている時こそ自分の射形に集中すること
※リードされている時にじわじわ詰めていくと相手のメンタルが強く無い限りは相手も焦りだすので逆転のチャンスです。
- 自信を持って射つことで、相手に緊張していると思われないようにする
etc…
をやっていました。
トーナメントを勝てるようになったのは大学生になってからです。それまでは緊張もありつつ、当てられるところで当てる力が無く負けていました。
メンタル面は考え方、捉え方で大きく変えることができます。もし何をやっても緊張してしまう人は一度見方を変えると緊張しなくなるかも知れませんね。
練習でのメンタルの鍛え方
自分のタイプがわかったら、次は練習でメンタルの強化をします。
試合の予選で緊張してしまうなどの場合は、試合に出て試合慣れするしかありませんが、その他については練習でカバーすることができます。
これは完全に点数に意識が向いて、○点を射たないと!と自分にプレッシャーをかけているのと同じ状態です。
あなたがこのプレッシャーに強ければ特に何も対処をしなくていいですが、弱い場合は対処しなければなりません。
この場合は「いい点数を射ちたいときこそ自分の射形に集中」これを意識し続けます。
現に、いい点数が出る時はそこまで点数のことを考えていないはずです。それなら、練習から点数の意識が出てきた時に自分の上手くいくポイントや射形に集中して射とうと考えるだけでかなり変わります。
この場合の対処方法は、点取りでも、トーナメントでもいいので必ず誰かと勝負してください。試合=勝負なので、練習から誰かと勝負することで試合と同じ状況を作ることができます。
もし、勝負する相手がいない時は
- 自分で空想の敵を作る
- ライバルを思い浮かべて勝負
- 相手がリードしていると仮定する
が有効です。
また、勝負をする相手がいる時は
- 負けたら筋トレする
- 相手にジュースを奢る
など何かしらを付け足すとより負荷のかかったプレッシャーになります。
この状況で相手を意識せず、自分に集中して射つ練習をすることで、試合のトーナメントでも同じように対処することができるはずです。
ちなみに、私はこれでメンタル強くしてました笑
- 練習中、練習の最後のエンドで1本でも、6本でもいいから必ず勝負する。
- 相手が自分より強い、弱い関係なく勝負する。
- 負けたら何かしなければという条件をつけるとより負荷がかかる
勝負の回数をこなし場数を踏むことでだんだん慣れてきます。
正直、緊張をほぐすためには場数を踏むしかないので、毎日の練習から取り入れて慣れていきましょう。
点数
試合で点数を出すためには、練習から出さないと試合では出ません。(当たり前ですが…)
今回は「全日本選手権でベスト8になる」という目標でしたね。振り返ると、
- 試合に出るために必要な申請点数は620点
- 予選で勝つためには630点いる
- 現状が615点を平均的に射つなのであと15点をあげないといけない
やり方としては、
- 練習での最終目標を決める
- それに到達するために更に細かく割り振る
- 点数を達成していくための期限を作る
です。
今回の場合は、630点を平均的に射てるようになれば申請点数も通るし予選も通ることができます。
- 最終目標を630点
- 630点に近づくために現状との差は15点
- 一気に上げていくのは難しいので5点ずつに区切り、625、620
ここまで分けることができたら、次はそれぞれの点数を平均的に射てるようにするための期限を決めます。
- 630点を平均に射つ→9月の申請締め切り前まで
- 625点を平均に射つ→7月中に
- 620点を平均に射つ→5月中に
といった感じで期限を決めます。
期限が決まれば、後はその点数を出すために
- 自分の射形の得意分野を伸ばす
- 射形を変えてより点数を出やすくする
- 体力強化でポンドアップする
- 弓トレで弓をコントロールできるようにして点数を射つ
etc…
様々な対処方法や、やるべきことが見えてきます。ここまで来たらあとはやるだけです。
まとめ:練習目標は細かく設定する
いかがだったでしょうか?今まで目標設定をしてここまで分解したことはありましたか?
まとめると、
- まずは自分の現状を知ること
- 現状を知ったら、射形やメンタル、体力面の強化など目標を達成するために必要なことを書き出す
- それぞれ目標達成のために必要なことは細かく分解する
- やることが明確になればなるほど、目標達成まで早くなる
結構大変な作業ではありますが、目標達成するためには目標からやるべきことまでを細かく分解することが重要です。
小さな積み重ねがやがて大きくなり最終的に目標達成に繋がります。その小さな積み重ねを明確にして確実にものにするためにここまで分解します。
これができると、
✅日々の練習の質も上がる
✅目標達成に向けての練習ができるため、目標達成率も大幅に上がる
ぜひ、時間のある今だからこそできると思うので目標達成したい!という人はやってみてください!これができ、実践した後は自分でも驚くくらい上手くなっていると思います!
次回は私が現役時代に実際に設定していた目標を解説しながら目標設定をする中で気をつけていたことをお話しします。
それでは、また次回ブログで!
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