こんにちは、ケロクマです。
- 今使っている矢の硬さが合っているのか知りたい
- ベアシャフトチューニングのやり方を知りたい
- 矢が硬いor柔らかい場合の調整方法を知りたい
- なんとなく矢飛びがおかしい気がする
- 今のセッティングが本当に自分に合っているのか確かめたい
など、今使っている道具やセッティングなどが自分に合っているのか悩んでいますよね。
チューニングも色々な方法がありますが、矢の硬さとノッキングポイントの高さが合っているか確認する方法の1つにベアシャフトチューニングがあります。
- ベアシャフト:羽がついていない矢のこと。
- 矢の硬さ:専門用語でスパインと言います。矢のスパインが合っているかと言われたら、ポンド数に対して矢の硬さが合っているか否かという意味です。
矢の硬さとノッキングポイントの高さは当たりにも大きく影響するため、ズレていると当たるはずのものが外れたりします。さらに、ミスの影響も受けやすいため、8点で止まるミスが6点まで飛んでいくことも。
チューニングが合っているか否かで大きく結果が変わります。それくらい道具のチューニングは大切です。
そして、チューニングが合っていないがためにもったいないミスをしないために今回は、「ベアシャフトチューニングのやり方と調整方法」を解説します!
【今回の記事を読むメリット】
- ベアシャフトチューニングの正しいやり方がわかる
- 今使っている矢があなたに合っているかがわかる
- ズレている場合の調整方法がわかる
- より自分に合ったセッティングにできる
- 正しいチューニング方法がわかる
大前提:チューニングだけでは当てられない
早速ベアシャフトチューニングのやり方をお伝えしたいのですが、その前にチューニングをする上で絶対に知っておいてほしいことがあります。
それは、チューニングだけでは当てられないということ。
チューニングして当たらなかったら意味がないのでは?と思いますよね。確かに、チューニングはあなたの使っている道具があなたに合うように調整するものです。
つまり、チューニングを100%完璧に合わせればどんな射形をしても全部黄色に当たるというわけではありません。
この前提はベアシャフトに限らず、他のチューニング全てにおいて言えます。ここを知らずにとりあえず道具をいじれば当たると思い込んでいじりまくっても当たらないのでそこだけは気を付けてくださいね。
準備:チューニング前に注意すべき3つのこと
ベアシャフトチューニングをする前に必ず確認することが3つあります。
- 1つの部分だけ動かす
- 何をどのくらい調整したかをメモしておく
- センターショットとハイトを合わせておく
1つの部分だけ動かすこと
チューニングをするときは、必ず1つの部分だけ動かしましょう。
例えば、
- ノッキングポイントの高さだけ
- レストのツメの高さだけ
- 上下のティラー差だけ
などです。
一度にたくさん変えてしまうと、何を変えてどう変わったのがわからなくなるから。
必ず1つ動かす→結果を見て考えるようにしましょう。
何をどのくらい調整したかをメモしておく
ベアシャフトチューニングに限らず、次の3つをメモっておきましょう。
【道具をいじったときにメモしておくこと】
- 何をいじったのか(動かしたのか)
- どれくらい動かしたのか(1cm伸ばした、1周締めたなど)
- +どんな結果になったか
もし、メモが残っていないと良い結果にならなかったときに元の状態に戻せなくなります。

何をどれくらい動かしたかのメモに加えて、元の状態もメモしておくと○
センターショットとストリングハイトが合っていること。
センターショットとハイトがズレたままチューニングをすると、調整結果が変わります。
正しい位置に合っていればスグに終わったものが、この2つがズレていたために他のところをいじって更に分からなくなる…。なんてことになります。
まずは、センターショットとストリングハイトを合わせましょう。
※それぞれの合わせ方については別記事で解説。
【補足】
- センターショット:ハンドルの中心を弦がまっすぐに通っていること。
- ストリングハイト(別名:ブレースハイト):弦からグリップまでの距離のこと。
★ハイトは練習前に必ず測りましょう。
補足:チューニングするタイミング
ベアシャフトチューニングは風のないときにしましょう。
ベアシャフトチューニングは、矢を買い替えたときや、プランジャーのバネの硬さを変えたときにもします。

プランジャーのバネの硬さを変えると、射ったときに押し出される力が変わるため、適正な位置に合わせるためにチューニングします。
ベアシャフトチューニングのやり方と対処方法
センターショットとハイトが合っている前提で基本のやり方を解説します。
ベアシャフトチューニングの基本
- 射つ距離:30m
- 矢:羽付き矢6本、ベアシャフト3本
- 羽付き矢が黄色に当たるようサイトを合わせておく
ベアシャフトチューニングでは30mを射ちます。70mなどの長距離では物理的に距離が長く、矢が風などに影響されて正しい結果が返ってこないからです。
また、チューニングを始める前に羽付き矢が黄色に当たるようサイトを合わせておきます。もし、サイトが合っていないと、ベアシャフトが合っているのか羽付き矢が悪いのかを判断できません。
やり方
- 羽付き矢とベアシャフトを混ぜて射つ
- 射つ回数:2〜3回。記録も取っておく。
準備ができたら、羽付き矢とベアシャフトを混ぜて射ちます。
例えば、羽付き矢を2本射ったらベアを1本射つなど。

黒バツ:羽付き矢 緑バツ:ベアシャフト
1回だけではミスなどがあった場合、正確なチューニングにならないため2、3回射って判断します。
OKのパターン(許容範囲)
ベアシャフトを射った結果、OKのパターンであればベアシャフトチューニング完了です。
【OKパターン】
- 羽付き矢とほぼ同じ位置にある:①
- 羽付き矢よりも少し左(右利きの場合):②

①羽付きとほぼ同じ。

②羽付よりも少し左。
理想は羽付き矢とほぼ同じ位置にあることですが、少し左にある分には問題ありません。ベアシャフトが少し左にある=矢が少し硬いということ(右打ちの場合)。柔らかいよりかは全然良いのでOKにしてます。

矢が柔らかいとミスの影響を受けやすいため、矢を買うときも少し硬めを選ぶのがオススメ。もちろん、硬すぎるのはダメですよ。
※適正な矢の選び方は別記事で解説。
調整が必要なパターンと調整方法
羽付き矢からベアが離れすぎている場合は調整が必要です。
例えば、
羽付き矢は黄色なのにベアシャフトが
- 右下の黒
- 上の青もしくは下の黒
- 右の青、もしくは左の青
など、羽付き矢から大きく離れている場合は調整する必要があります。(写真の赤丸部分)

赤丸がベアシャフト。

上下どちらかに外れているパターン。
上の写真のように、上下左右に外れている場合や、上下のどちらかに外れている場合は、上下から調整します。例えば、左上の青や黒にベアシャフトがある場合は、上下の調整からスタートします。
ベアシャフトが上下にある
ベアシャフトが上下に外れている場合は、ノッキングポイントの高さが合っていないことが考えられます。そこで、ノッキングポイントの高さを合わせて適正な位置にします。
修正方法:ノッキングポイントの高さを変える
ベアシャフトが上もしくは下にあるかで修正方法が変わります。
<ベアシャフトが下にある>
- ノッキングポイント位置:高い
- 修正方法:今の位置よりも下げる
<ベアシャフトが上にある>
- ノッキングポイントの位置:低い。
- 修正方法:今の位置よりも上げる
また、ノッキングポイントの動かす範囲は、ベアシャフトが羽付き矢から外れてる範囲で変わります。
例
- 羽付き矢が黄色、ベアシャフトが赤→1メモリ動かす
- 羽付き矢が黄色、ベアシャフトが青→2メモリ動かす
最大で動かしても2メモリくらいです。なぜなら、ノッキングポイントの高さを変えると、矢の向きが変わるから。2メモリ動かすと、かなり高さが変わります。
- ノッキングポイントが下にある→矢先が上を向いている
- ノッキングポイントが上にある→矢先が下を向いている
- 適正な位置→矢先が水平よりも少し下を向いている。

写真は水平よりも少し下向き。適正な高さはこれくらい。

最終的には、適正な位置でベアシャフトが羽とほぼ同じ位置にくる高さに合えばOK。
注意:ブレースハイト(弦からグリップまでの距離)が合っていることが前提です。
ブレースハイトがズレていると、ノッキングポイントの高さが変わるため、ベアシャフトチューニングで正しい結果が返ってきません。
補足:最終手段はレストの高さを変える
ノッキングポイントの高さを2メモリ以上変えてもあまり結果が変わらない場合は、レストの高さを変えます。
- 金属レスト→爪の高さを上げるor下げる
- スーパーレスト→穴の下を切って高さを変える

矢の中心にプランジャーチップが当たるように高さを調整する。
レストの高さを変えると、ノッキングポイントの高さが変わるため、もう1度チューニングをします。その結果、良い結果になればOK。まだ合わない場合はベアシャフトの位置に応じてノッキングポイントの高さを変えます。
ベアシャフトが右or左にある
ベアシャフトが左右のどちらかにある場合は、矢の硬さが合っていないorプランジャーのバネの硬さが合っていないと考えられます。
このとき、プランジャーのバネの硬さは一旦置いておき、まずは矢の硬さが適正かを見ます。
【前提】
- センターショットが合っていること
- 羽付き矢が黄色にあること
- 右射ち(左射ちの場合は逆に考える)
ベアシャフトが左にある
ベアシャフトが左にあると、以下のことがわかります。
- 矢の硬さ→硬い
- ベアシャフトの許容範囲→左の黄色〜8点。
許容範囲より左にある場合は、次に紹介する3つの調整方法で合わせます。
【矢が硬い場合の3つの調整方法】
- プランジャーのバネを弱くする
- ポンドを上げる
- 弦の本数を減らす
まず、矢が硬い場合はプランジャーのバネの強さで調整します。
<調整方法>
- プランジャーを緩める。大体1周くらい。
- 緩めて射った結果、許容範囲内にあるならOK。
- 2の時点でまだ左に行くならさらに弱めます。
プランジャーを弱められる限界まで弱めてもダメな場合はバネの強さを変えます。
バネの強さを変えたら、もう1度射ちます。その結果でプランジャーの強さを変えるか否か変わります。
もし、プランジャーのバネが一番弱い&緩められる限界まで弱くしたのに左にいく場合は、ポンドを上げるor弦の本数を減らして対処します。

矢を1年以上使用して消耗している場合は、1つ柔らかい番手の矢に変えるのもアリです(買い替えは最終手段です)
プランジャーをいじってもダメな場合は、ポンドを上げます。矢が硬い=ポンド数に対して矢の硬さが合っていない状態です。なので、ポンドを上げて矢の硬さを合わせます。
もう1つの方法は弦の本数を減らすこと。弦の本数が増えると、細い弦に比べて引きの感覚が硬くなります。
弦を減らす場合は2本。18本弦なら16本弦にします。
弦を2本減らすと、矢が右に寄ります。

大幅には動かないため、あくまでも近づけるくらいの感覚です。
ベアシャフトが右にある
ベアシャフトが右にあると、以下のことがわかります。
- 矢の硬さ:柔らかい
- ベアシャフトの許容範囲:右の黄色〜8点。
許容範囲よりも右側にベアシャフトがある場合は調整します。特に、矢が柔らかい場合はチューニングでも限界があるため、基本的に買い替えることをオススメします。
ただ、急に買い替えることは難しいことも多いですよね。なので、応急処置にはなりますが、柔らかい場合と硬い場合の対処方法を紹介します。
※矢を買い替える時のポイントは別記事で解説。
矢が柔らかい場合の調整方法は4つ。
- センターショットで調整
- ポンドで調整
- 弦の本数を増やす
- 応急処置で矢を硬くする
一番手軽に出来るのがセンターショットで調整することです。

写真はポイント1つ分左に出ている。ACEはポイント1つ分、X10はフルセンターに合わせるのが基本。
<調整方法>
少しだけ矢が左に出るようにプランジャーチップの出具合を調節する。

矢先が左を向くため、右にあったベアシャフトを強制的に真ん中へ近づけることができます。(荒技)
センターショットを変えてもダメな場合は、弓のポンド数で調整します。
ポンドを下げるときは半回転ずつ上下のリムボルトを緩めます。
半回転ポンドを下げた結果、
<グルーピングが小さくなった>
- 許容範囲内に収まる:OK
- まだ柔らかい:もう半回転下げる
- もう半回転下げても柔らかい:3へ
<グルーピングが大きくなった>
ポンドが変わって感覚が変わり、その結果が出た可能性あり。もう1回射ってグルーピンが小さくなればOK。
この方法は最終手段です。いちいちストリングを変えていたら大変ですからね。
弦の本数:専門用語でストランド数といいます。
増やす場合は2本。今使ってる弦が16本弦の場合は+2本で18本。
矢が柔らかい場合は、ベアシャフトが羽のついた矢よりもやや左にくると考えられます。もちろん、ベアシャフトが羽付き矢とどれくらい離れているかによっても変わります。
これまでの方法を試してもいまいち変化がなかった場合は、矢を買い替える以外で矢を硬くする方法を紹介します。
- アローラップを巻く
- バイターノックorピンノックを使う
- ポイントの重さを変える 例:100gr→90gr
※注意:あくまでも応急処置なので、そこまで大きく変わりません。
いずれの方法も矢が少し硬くなります。
ポイントの重さを変える場合は、ポイントをカットして変えます。
- 100-90-80grのポイント:90or80にできる
- 120-110-100grのポイント:110or100にできる
1つカットすると、10gr減ります。
12本持っている場合は、チューニングに使う分だけ(6本)ポイントの重さを変えます。もし、良い結果にならなかった場合、全部ポイントの重さが減った状態で射たないといけないから。
納得のいく結果が出た場合は残りの矢も同じように調整してOKです。
補足:ポイントの重さを変えるとチューニングは変わる?
ポイントの重さを変えると、チューニングそのものが変わるのでは?と思ったかもしれません。
ですが、ACEやx10などのカーボン矢の場合はポイントの重さを変えてもチューニングに影響はありません。変わるのは、矢の硬さだけです。
例えば、ベアシャフトで左の8点にあった矢が左の9点に来るくらいです。
最後に
ここまでベアシャフトチューニングのやり方とそれぞれの対処方法を解説してきました。
特に矢の硬さが合っていないと本来当たるはずのものが外れたりします。それくらいチューニングは大切です。
ですが、チューニングにこだわりすぎる必要はありません。なぜなら、チューニングを完璧に合わせることにこだわるよりも、最低限、許容範囲内に合わせて練習する方が大切だから。
究極にこだわるのは、ナチームに入れるほどの実力がついてからでOK。技術が成長段階の時点でこだわっていじりすぎると練習時間が減って技術を磨く時間が少なくなります。
道具も大切ですが、射つ技術を磨くことも当てるためには大切ですよ。
それでは、また次回ブログで。
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