【徹底解説】アーチェリー押し手の肩が詰まる5つの原因と治し方
こんにちは、ケロクマです。
- 押し手の肩が詰まる原因が分からない
- ドローイングやエイミング中に肩が詰まってくる
- 疲れてくると押し手の肩が詰まってくる
- 肩が詰まって弓を上手く支えられない
- どうしたら押し手の肩が詰まらなくなるのか分からない
など、押し手の肩が詰まってきて思うように射てずに悩んでいますよね。そこで今回は、「押し手の肩がつまる5つの原因と治し方」を徹底解説します!
押し手の肩の詰まりを治すためには詰まっている原因を知ることが大切です。原因が分からないとやみくもに手を出してフォームが崩れてしまうから。
原因がわかれば治し方も分かるので早く治すことができます。さらに、 あーでもない、こーでもないと悩みながら練習することもありません。
やるべきことがハッキリするので自信を持って練習することができますよ。
あなたにあったアドバイスでスコアUPを目指すなら
動画での解説はこちら!
押し手の肩が詰まる5つの原因
- グリップが浮いている
- 肩から弓を持ち上げている
- 重心が上がっている
- 押し手のヒジを突っ張っている
- 押し引きのバランスが崩れている
グリップが浮いている
グリップが浮いていると弓からの力が肩にかかって押し手の肩が詰まります。
弓からの力が下ではなく上へ抜けて肩に掛かるからです。その結果、押し手の肩が詰まります。
- グリップを手のひら全体で押せていないこと
- なんとなくでグリップを決めていること
- プレドローせずに押し手だけでグリップを決めていること
プレドローとは、セット時に引き手を軽く引く動作のことを言います。
グリップはピボットポイント(グリップの一番凹んでいるところ)に対してまっすぐに押すことが大切ですが、手のひらが浮いていては意味がありません。
さらに、なんとなくグリップを決めていると毎回グリップを決める位置や角度が変わるので、グリップが浮きやすく肩も詰まりやすいです。
肩から弓を持ち上げている
セットアップするときに肩から弓を持ち上げると押し手の肩が詰まります。
- セットアップが雑
- 引き手を使わず押し手だけで弓を持ち上げている
- 押し手のヒジを伸ばしきっている
セットアップが雑な人は押し手を振り上げるようにして弓を持ち上げるため、肩が上がりやすいです。
肩が上がる=肩の筋肉で弓を支えるため、脇腹で弓を支えることは難しいです。なぜなら、人間の体の構造上、肩が上がると脇腹の筋肉は引き伸ばされてしまうからです。
セットアップは早く弓を持ち上げるものと勘違いしていませんか?
確かに上手い選手を見るとサッと持ち上げていますが、早くすることと雑にすることはまったく別のことです。
早くセットアップした結果、雑になるなら早く持ち上げることにこだわるよりも丁寧にセットアップした方が肩が上がりにくいです。
重心が上がっている
重心が上がっていると押し手の肩が詰まります。
- 姿勢が反っていることが多いから
- 肩が詰まるから
- 身体を使って弓を持ち上げるから
重心が上がっている=肩をすくめているのと同じです。肩をすくめていると脇腹で弓を支えることはできません。
なぜなら、肩の筋肉を使う+セットアップで一度上がった重心を下げることはできないからです。さらに、身体を使って弓を持ち上げると重心が上がって肩が詰まります。
- お腹やお尻が出っ張っている
- 背中が反っている
- 胸が開いている
背中が反っていると胸が開いて肩甲骨が寄っているため、重心が上がりやすいです。
例えるなら春日の胸を張っている姿勢と同じ。骨盤が前傾していても同じようなことが起こります。
私も骨盤が前傾しており、疲れてくると背中が反って重心が上がってきました。しかし、重心を下げられるようになってからは骨盤前傾もマシになりました。
押し手のヒジを突っ張っている
押し手のヒジを突っ張っていると肩が詰まります。
- 肩から弓を持ち上げやすくなるから
- 二の腕に力が入って肩が上がりやすくなるから
- セット時に押し手に力が入って肩支点になるから
押し手のヒジを突っ張ると二の腕に力が入ります。すると、腕が固定されて肩からしか弓を持ち上げることができません。
その結果、肩支点になって押し手の肩が詰まります。
- 押し手だけでグリップを決めている
- セットでプレドローをしていない
- 押し手の肩から弓を持ち上げている
押し手1本でグリップを決めるにはヒジを突っ張る必要があります。すると、腕が固定されるのでグリップは決めやすくなります。
しかし、腕が固定されるため、肩からしか弓を持ち上がることができません。その結果、肩支点のセットアップになって押し手の肩が詰まるのです。
ヒジの突っ張りにはセットでのグリップの決め方が大きく関係していることがわかります。
押し手のヒジが突っ張っているとクリッカーも切れません。理由は押し手を100%使ってしまい、伸びる余裕が残っていないから。
そうならないためにも、ヒジにはゆとりを持たせることが大切です。
押し引きのバランスが崩れている
押し引きのバランスが崩れると肩が詰まります。
- 長距離で引き手が押し手よりも強くなるから
- 押し手が弓の力に対して耐えられるだけの筋力がないから
- 肩の角度が変わって支えきれていないから
長距離を射つと短距離に比べて肩の高さが上がるため、押し手で弓からの力を支えられるだけの筋力がないと簡単に肩が詰まります。
長距離に限らず、サイトが下がれば肩の角度が上がるため同じことが起こります。
引き手が強くなって身体の軸が引き手側に倒れた結果、押し手の肩が詰まることも。
特にドローイングからアンカリング時は弓の強さが一番強くなるので筋力がないと支えきれずに詰まります。
押し手の肩の詰まりを解決する5つの方法
押し手の肩の詰まりを解決するには、原因にあった対処をすることが大切。
主な解決方法は5つあります。
- グリップのスキマをなくす
- 押し手のヒジにゆとりを作る
- 引き手からセットアップ
- 重心を下げて姿勢をまっすぐに
- 押し手の肩を軸にドローイング
グリップのスキマをなくす
グリップが浮いていることが原因で肩が詰まる場合は、グリップが浮かないように親指の付け根全体でまっすぐグリップを押すことが大切です。
まずは、正しくグリップがセットできているかチェックしましょう。
- 人差し指と親指の間がグリップの一番深いところ(ピボットポイントと言います)に当たっているか
- グリップの終わり部分に手のひらの下を合わせているか
- 引き手を軽く引いて母指球全体がグリップから浮かないようになっているか
正しくセットができた後はグリップが浮かないようにプレドローをしましょう。
プレドローをするとグリップに適度な圧が加わって押し手だけで決めるよりも楽にかつ簡単に決めることができます。
もし、ちゃんとセットでグリップを決めてもセットアップやドローイングで浮いてしまう場合は、今使っているグリップの高さがあなたの手に合っていないことが考えられます。
この場合は、グリップにパテなどを盛って押しやすいように加工することが大切です。
押し手のヒジにゆとりを作る
押し手のヒジにゆとりを作ると押し手の肩が詰まりません。
- 肩ではなくヒジ支点で弓を支えることができる
- 脇腹で弓を支えることができる
- 弓からの力が下に行くから
繰り返しになりますが、押し手のヒジを突っ張ると、腕が固定されて肩からしか弓を持ち上げられなくなって詰まります。
押し手のヒジにゆとりを作る3TEP
プレドローをするときに押し手の腕を突っ張らないために下リムを押し手の足につけて弓を支えます。
これだけでもかなり押し手に力が入るのを防ぐことができます。
引いた時にグリップ全体に力が掛かっている感覚があればOK。
このとき、大きく引きすぎないように注意しましょう。
引きすぎるとセットアップがやりづらくなるためです。
1でプレドローがしっかりできているとヒジを突っ張らなくてもセットできます。
二の腕に力を入れないとセットできない場合は、
- プレドローが弱い
- 弓を押し手1本で支えようとしている
のどちらかです。
ゆとりができているかチェックする
押し手のヒジにゆとりがあるのかを確認したいときは、あえて押し手でクリッカーを切ってみると良いでしょう。
※クリッカーは基本的に引き手で切ります。
- クリッカー切れる:押し手にゆとりがある
- クリッカー切れない:押し手を100%使っているため、伸びる余力がない。
クリッカーが切れると、押し手にゆとりがあることがわかります。なぜなら、クリッカーが切れるくらい押し手に余裕があるからです。
引き手からセットアップ
セットアップ時に引き手→押し手の順で弓を持ち上げると押し手の肩が詰まりづらいです。
- 押し手の肩から弓を持ち上げないから
- 押し手は後からついていくだけだから
- ヒジ支点で弓を支えることができるから
引き手からセットアップすると、肩を使って弓を上げにくくなるため肩が詰まりづらいです。というのも、肩が上がる時は押し手の肩から弓を上げることが原因だから。
引き手からセットアップする具体的なやり方は、
- セットでプレドロー(少し弓を引く)をする
- 引き手→押し手(グリップ)→押し手のヒジで上げる
- ヒジが支点になり、脇で弓を支えられる
押し手の肩が一番下に来るため、自然と肩が上がりづらいです。(3枚目の写真が一番わかりやすいです。)
押し手から弓を持ち上げるのではなく、引き手から弓を持ち上げる意識へ切り替えることが大切。
- 押し手と引き手のバランスが取れる
- 押し手が楽(脇腹で弓を支えることができるから)
- 的方向に押している感覚が感じられる
ヒジで支えられると押し手に余計な力が入らず、楽に弓を支えられます。もちろん、肩も詰まってきません。
重心を下げて姿勢をまっすぐに
重心が下がると姿勢がまっすぐになり、肩が詰まりにくいです。理由は、肩が下がって姿勢が反りにくくなるから。
重心を下げる方法は大きく2つあります。
- 足に体重を乗せるイメージをする
- 胸を落とす
足に体重を乗せるイメージをする
重心を下げるには、足全体に体重を乗せるイメージをします。
- セットで全体重を足に乗せるイメージをする
- 重心を足に乗せたままセットアップ。
- 重心が上がらずセットアップでき、押し手の肩が詰まってこない。
足に体重を乗せるイメージをすると、自然と肩の力が抜けて重心が下がります。
感覚が掴みにくい場合は、一旦肩をすくめてから落とすと分かりやすいですよ。
胸を開かない
重心が上がると胸が開いている(胸を張るような姿勢になる)ため、重心を下げて胸が開かないようにします。
イメージは、胸を張った状態から少し猫背にする感じ。
一度胸を張ってから背中を丸めるイメージをすると感覚を掴みやすいです。
本当に猫背にすると背中が丸くなりすぎるので、あくまでもイメージです。重心が下がると丹田に力が入って自然と重心が落ち、肩が上がらなくなります。
実際にやってみるとわかりますが、胸が開いたままでは丹田に力をいれることはできません。しかし、肩を少し丸める(気持ち猫背にするイメージ)とお腹に力が入れやすくなります。
押し手の肩を軸にドローイング
動画での解説はこちら!
ドローイング時に押し手の肩を軸に引く意識をすると肩が詰まりにくいです。
押し手で弓からの力を支える意識をしながら引いているからです。
何も意識せずに引くと身体が引き手側に倒れやすくなります。
押し手の肩から先は押し手、肩から後は引き手と分けることで押し手が引き手側に来ることを防ぎます。
押し手で弓から返ってくる力を支えているため、セットアップで肩を決めたあとは引くことだけに集中できること。
ただし、押し手の肩から弓を上げている場合は肩を軸にしても詰まってくるため、まずは押し手の肩を上げないようにセットアップするようにしましょう。
アーチェリーはバランススポーツなので、どちらかが強すぎても弱すぎてもダメ。
引き手と押し手のバランスさえ取れていれば、肩が詰まることなく楽に射つことができますよ。
補足:ケロクマの意識方法
ドローイングで引き分ける時に押し手と引き手のバランスを考えて引くのは結構難しい(押すと引くで反する動きをしているため)ですよね。
なので、私は以下のように意識をしていました。
- セットアップまで(肩を決め切るまで)は押し手80%
- ドローイングからリリースまでは引き手80%
- フォロースルーで押し手80%(押し手を残すため)
この意識配分にした理由は、
- セットアップまでは押し手の肩をしっかり決めないとバランスが崩れるので押し手重視。
- 押し手を決めた後は引き手で伸びる意識をするために引き手を重視
- フォロースルーでは押し手を残すために意識を押し手に戻していました。
このようにタイミングごとに分けて考えると相反する動きを意識しなくても済むので感覚的にやりやすさがありました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
押し手の肩を上げずにセットアップする練習
最後に押し手の肩を下げたまま腕を上げる練習方法をお伝えします。
肩を下げたまま腕を上げることができると、肩から弓を持ち上げなくなるため、セットアップが今まで以上にやりやすいですよ。
もし、ペットボトルもダンベルもない!という場合は、次の練習をやってみましょう。
肩を上げずに遠くにあるものを取るようにして腕を上げる
普通に腕を上げると肩がつまってくるため、肩は下げたまま手だけで遠くのものを取るイメージをして腕を上げます。
- 片方の手を肩におく
- 手だけで遠くにあるものを取るイメージをして腕をゆっくり上げる
すると、肩を上げずに腕だけ上げられます。肩が上がると肩が詰まってくるのですぐにわかります。一方で、下がっていると肩にくぼみができます。くぼみができればOK。
最後に
今回は押し手の肩が詰まる5つの原因と治し方について解説しました。押し手の肩が詰まるとクリッカーが切れない等で射つこと自体がしんどくなります。
しかし、今回の記事で解説した原因と治し方を元に練習していけば肩の詰まりがなくなり、今以上に楽に弓を引くことができるようになります。
さらに、押し手ができるようになるとかなり当たるので、今回ご紹介した方法で押し手の詰まりを解消し、楽に射てるようになって欲しいと思います。
それでは、また次回ブログで!