射形

【やさしく解説】アーチェリー押し手の肩を決める3つのポイントとコツ

KEROKUMA

こんにちは、ケロクマです。

  • 押し手の肩を決める方法がわからない
  • どのタイミングで肩を決めればいいか分からない
  • 肩を決める時の基準がわからない

など、押し手の肩をどうやって決めればいいか悩んでいますよね。

押し手の肩を決める=感覚的な動作だと思いますよね。

実は、ちゃんとしたやり方や身体の動かし方があります。

もし、身体の動かし方を知らないまま肩を決めると射形が崩れたり、押し手が今よりも負けたり詰まったりします。

身体の動かし方を知った上で肩を決める動作ができるとこんなメリットがあります。

  • 押し手の肩が詰まったり、負けなくなる
  • 弓を楽に支えることができる
  • 押し手がブレなくなる

そこで今回は、「押し手の肩を決める3つのポイントとコツ」を解説!

今回の記事を読むメリット
  • 押し手の肩をスムーズに決めることができる
  • 両肩のラインが揃って骨で弓を支えることができるようになる
  • 押し手の肩が詰まったり負けなくなる

KEROKUMA
KEROKUMA
レッスン講師&ブログ管理人
Profile
高校でアーチェリーを始め、スポーツ推薦で大学進学。高校生の時、全国強化指定選手Aチーム選出、アンダークラスの日本代表選考会出場等への実績を持つ。大学では部の主力選手として大学王座決定戦に2度出場、個人では全日本室内で9位等の成績を収めた。大学卒業後は紆余曲折を経てCPに転向し、全日本室内で優勝。現在は選手活動を続けながらアーチェリーのレッスン講師や、ブログでアーチェリー技術の発信活動を行っている。
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肩を決めるとは

肩を決めるコツとポイントをお伝えする前に肩を決めることについて、サクッと解説します。

肩を決める=押し手と引き手の肩をまっすぐにして矢筋に通すこと。

もっと分かりやすく言えば、押し手と引き手の肩をまっすぐに揃えることです。

ケロクマ
ケロクマ

両肩がまっすぐに揃うと、関節(骨)で弓を支えることができるため、弓からの力に負けにくくなります。

押し手の肩を決める3つのコツ

  • 肩を決めるタイミングはセットアップ
  • 肩を入れる範囲はスタンスで変わる
  • 引き手も使う

肩を決めるタイミングはセットアップ

肩を決めるタイミングはセットアップで弓を降ろすとき

もっと細かく言えば、セットアップで弓を降ろしながら重力を使って決めます。

弓を降ろす(降ろしながら)ときに肩を決めるのは、動きの流れで自然と肩を決められるから

ケロクマ
ケロクマ

押し手の肩だけを使って決めようとすると、動きの流れを止めてしまうのでムダな動きが増えます。

ケロクマの肩を決めるタイミングを見てみると、セットアップで弓を降ろしながら決めていることがわかります。

肩を入れる範囲はスタンスで変わる

肩を決めるときに、どれくらい肩を入れたら良いか質問を受けます。

結論、肩を入れる範囲はスタンスで変わります。

スタンスは大きく分けて次の3つがあります。

  • ストレートスタンス
  • オープンスタンス
  • クローズスタンス

ほとんどの選手がストレートもしくは、オープンのどちらかですよね。そして、どちらのスタンスを選択するかで肩を入れる範囲が変わります。

ストレートとオープンスタンスの肩の位置(セット時)
  • ストレート:両肩がほぼまっすぐ
  • オープン:足の広げる範囲によって肩の開き具合が変わる

ストレートは肩、腰、足の3つをすべてまっすぐに揃えるため、セット時点でも両肩がほぼまっすぐです。

一方で、オープンスタンスは押し手の足を下げるため、ストレートに比べると押し手の肩は後ろにあります。

ちなみに、オープンスタンスは足の下げ具合で肩の位置が大きく変わるため、足を下げるほど肩を揃える動作が大きくなります。

ケロクマ
ケロクマ

スタンスによって肩の位置が変わるため、スタンスの足幅が広く(オープン)なるほど、肩を入れる範囲(動き)が大きくなります。

なぜなら、

  • ストレート:両肩がほぼまっすぐなので大きく肩を入れなくても肩を決められる
  • オープン:両肩が的側に開いているため、大きく肩を入れないと肩が決められない

オープンスタンスで足を広げる(足を下げる)範囲が大きくなるほど、肩を決める難易度は上がります。  

なぜなら、肩を決める動きが大きくなるほど、毎回同じように繰り返すのが難しくなるから。

補足

ストレートスタンスでもセット時に肩を開いているとセットアップで肩をしっかり決めないと押し手の肩が負けます。

ケロクマ
ケロクマ

スタンスとセット時の肩の開き具合が肩を決める動作に大きく影響するということですね。

肩を決めやすいのは、ちょいオープン

オープンにするほど肩を決めるのは難しい、かといってストレートスタンスではどうにもやりにくい…と思いますよね。そこでオススメのスタンスが、ちょいオープンのスタンス。

 見た目はほぼストレートですが、押し手側の足がわずかに後ろにあります。

ちょいオープン:ストレートスタンスからほんの少しだけ足を下げる&つま先を外側に向けるスタンスです。

ケロクマもほぼストレートのちょいオープンです。見た目はほぼストレートです。

ちょいオープンにする3つのメリット
  • 肩を決める時の動作が小さくて済む
  • セットで肩を大きく開かないため、肩を決めやすい
  • ストレートとオープンの良いところ取り

ケロクマ
ケロクマ

標準のオープンスタンスにしたこともありますが、肩を揃える動作を安定させにくかったので、ちょいオープンにしました。

引き手も使う

肩を決める動作は身体の回転運動を使うので、押し手の肩を内側に入れつつ引き手も使って肩を決めることが大切。

重要

引き手を後ろ(背中)へ回すことで押し手の肩が前へ押し出されて肩を決める(両肩を矢筋に対してまっすぐに揃えることができる)ため、引き手を使わずして肩を決めることはできません。

もし、押し手だけで肩を決めようとすると次のようなデメリットがあります。

  • 押し手に力が入る
  • 肩が必要以上に内側に入る
  • 重心が前(的側)に移動する

 押し手に力が入った結果、

  • 引くのがキツくなる
  • クリッカーをスムーズに落とせない
  • 引き手が使いづらくなる

など、肩を決めた後の動きがやりづらくなります。

なので、動きの流れでスムーズに肩を決めるために肩を決めるタイミングで引き手の肩を後ろ(背中)へ回す動作が必要です。

画像で説明すると、①から動かして残りの②〜⑤は引っ張られてついていくだけ。

引き手の肩が背中側へ回って押し手が的方向へ押し出された結果、肩を決めることができます。なので、引き手を使わずに肩を決めることはできません。

注意点

引き手の肩を後ろ(背中)へ大きく動かしすぎると肩のラインが崩れるため注意が必要です。引き手はあくまでも肩を決める動作のサポートに過ぎないので、あまり大きく動かす必要はありません。

肩の決め方は2つ

  • ひねるようにして肩を決める方法(クロス型)
  • 押し引きのバランスを意識して決める方法(前後のバランス型)

ひねるようにして肩を決める(クロス型)

クロス型がオススメなのは、セットで肩を開いた状態でセットする人やオープンスタンスの人です。

肩を決めるポイント
  • 押し手の肩を内側に大きく入れる(押し手の肩をラインに乗せる)
  • 体幹を軸に肩を決める(腰が動かないようにするため)
  • 引き手の二の腕を意識して引き手の肩を後ろに置く

トップ選手では、古川選手の動きが1番イメージしやすいです。

肩を決めるときに押し手の肩を内側に入れて矢筋に対して両肩をまっすぐに揃えるように決めているのが分かります。

ケロクマもどちらかといえばクロス型に近いです。

ひねって肩を決めるときに注意することは主に3つ。

3つの注意点
  • 腰が動かないようにする
  • 押し手の肩の肩甲骨が倒れないようにする
  • 体幹を中心に肩だけを動かして決める

それぞれの詳しい解説は後ほど。

押し引きのバランスを意識して決める

押し引きのバランスで肩を決める方法は、前後の動きを使います。

先に紹介したクロス型は肩を内側へ入れて

具体的には、押し手を的側に対して押しつつ、引き手を引いて肩を決めます。

動きを順に解説すると、次のような動きをしています。

  1. セットアップで弓を降ろしつつ、
  2. 押し手の肩を的側に押し出しながら、
  3. 引き手も引いてバランスを取りながら両肩を揃えている


引き手を使うと、押し手だけで肩を決めるよりも動きの流れの中でスムーズに肩を決めることができます。

補足:身体の軸がブレないよう注意

前後のバランスで肩を決める時、身体の軸がブレないように注意します。

押し手だけで肩を決めようとすると、的側に重心が持っていかれやすくなるため、前後のバランスが崩れやすいです。

肩を決めるときに、軸が傾く方向によって重心を多めにかけてあげる身体の軸がブレずにバランスが取れた状態で肩を決めることができます。

  • 軸が引き手側に傾く→押し手に重心を多めに乗せる
  • 軸が押し手側に傾く→引き手に重心を多めに乗せる

補足:重心を変えても軸がブレる場合は…

重心の意識を変えても軸がブレる場合は、筋力不足で弓からの力を支えられていないことが考えられます。その場合は、サイドプランクなとで筋力強化して軸がブレないようにします。

  トレーニングについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください

【アーチェリー筋トレ】アーチェリーにオススメの体幹トレーニング5選
【アーチェリー筋トレ】アーチェリーにオススメの体幹トレーニング5選

肩を決める時に注意すべき3つのこと

  • 腰から動かさない
  • 体幹を軸に肩を決める
  • 押し手の肩甲骨が倒れないよう注意

腰が動かないように注意!

肩を決める時に肩だけを動かすのではなく、腰から動かそうとする人がいます。 一見、楽に肩を決められると思いますよね。

しかし、腰から動かすとスタンスに対して身体を捻っている状態になるため身体が固定されてスムーズにドローイングができません。

肩を決めたメリットがなくなるだけでなく、次のような影響もあります。

腰が動くデメリット
  • スタンスで足、腰の向きを決めた意味が無くなる
  • 身体に力が入りやすくなる
  • ドローイングや伸びの動作がキツくなる

腰から動かすと身体の軸がブレるので、スタンスで足や腰の向きを決めた意味がなくなります。

ケロクマ
ケロクマ

肩を決める動作はストレートであってもオープンであっても”肩だけ”を動かすため、腰と足は動かしません。

オープンスタンスの場合、腰と足は的側に開いているけど肩は矢筋に対してまっすぐな状態を作る必要があります。

ケロクマ
ケロクマ

肩を決めるのは矢筋を通して骨(関節)で弓を支えて引くためです。腰が動いてしまっては本末転倒です。

腰から動かないようにするには、次でお話する体幹を軸に肩を決めることが大切です。

体幹を軸に肩を決める

体幹を軸にすると腰より上を使った回転運動を+して肩を決めることができます。


イメージは肋骨よりも上を使う感じ。

ケロクマ
ケロクマ

腰から動かそうとすると身体が大きく動いてしまいますが、セットで開いた分の肩をまっすぐにするだけと考えると腰が動かずに肩を決めることができます。

押し手の肩の肩甲骨が倒れないよう注意

肩を決める時に、押し手の肩甲骨が倒れるくらい肩を入れないように注意しましょう。

押し手の肩甲骨が倒れるデメリット
  • ドローイング時に弓を支えきれない
  • 押し手の肩が負ける
  • 押し手の肩が矢筋のラインよりも内側に入ってくる

せっかく肩を決めて骨(関節)で弓を支える準備をしているのに肩が負けてしまっては意味がありませんよね。

肩を内側に入れる基準は、矢筋のラインに対してだけ

重要

セットで開いた分だけ肩を矢筋に乗せる(入れる)ので、肩甲骨が倒れるほど内側に肩は入れません。

参考:ケロクマの肩の決め方

ケロクマは、セットアップから降ろしてくる時に押し手の肘を返しながら肩を決めます。

ケロクマ
ケロクマ

猿腕なので押し手を返さないと腕に弦が当たるからです。

ケロクマが肩を決める時に意識している3つのこと
  • 親指側のラインから押しながら押し手の腕を返す
  • 押し手は的に押し出しつつ、引き手をその分引くこと
  • 両肩をまっすぐに揃えること

親指側のラインから押しながら腕を返すと、肩を決めるときに押し手を的側に押し出す動きと連動して肩を決めやすくなるため、意識しています。

実は、肩を決める動作が上手くいか否かはセットで決まります

なので、肩を決める動きをシンプルにするためにも、セットで2つのことを意識しています。  

セットで意識していること
  • プレドローをする(引き手を軽く引くこと)
  • 引き手と押し手の肩がまっすぐになるようにセット
  • 引き手の肩が的側に開きすぎないよう意識

ケロクマ
ケロクマ

セットで肩が大きく開いていると、肩を決める動作が大きくなり、射形の安定感が無くなるからです。なるべく動きがシンプルになるよう意識しています。

最後に

押し手の肩を決める3つのポイントとコツを解説しました。押し手の肩を決める動作は感覚的な動作でもあります。

そのため、動きをイメージするのが難しいですが、身体を動かすポイントとコツさえ分かれば肩を決めやすくなります

ぜひ今回解説したことを参考にやってみてくださいね。

それでは、また次回ブログで。

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高校でアーチェリーを始め、スポーツ推薦で大学進学。高校生の時、全国強化指定選手Aチーム選出、アンダークラスの日本代表選考会出場等への実績を持つ。大学では部の主力選手として大学王座決定戦に2度出場、個人では全日本室内で9位等の成績を収めた。大学卒業後は紆余曲折を経てCPに転向し、全日本室内で優勝。現在は選手活動を続けながらアーチェリーのレッスン講師や、ブログでアーチェリー技術の発信活動を行っている。
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