【アーチェリー】初心者育成③〜近射での練習方法とチェックポイント〜
こんにちは、ケロクマです。
- 一番最初は何ポンドの弓を引けばいいの?
- 何を意識して練習すればいい?
- 近射ではどんな練習をすればいいの?
- 弓を持ったときに気をつけるポイントってある?
- 近射の時点で自分の弓や矢を買う必要はある?
など、近射に移ってからの練習メニューやポンド数の決め方に悩んでいませんか?また、近射の時点で自分の弓を買う必要があるのかなども悩みますよね。前回までは筋トレと基礎の射形について解説しました。
ある程度体力がついて、基礎が身についてきたらいよいよ近射に移っていきます。近射で基礎を意識してできるかどうかがまた上手くなるかどうかの分かれ道にもなります。
そこで今回は「初心者の育成方法③〜近射での練習方法とチェックポイント〜」について解説します。
道具についての話も少しするので、弓を買う必要があるのか悩んでいるなら必見です!
【今回の記事を読むメリット】
- 近射で何を意識して練習すればいいのかがわかる
- 弓を持ったときに気を付けるポイントがわかる
- 上手くなるための練習方法がわかる
弓のポンドを決める方法
最初の1、2ヶ月で基礎トレーニングをしたため、弓を引いたり射つために必要な最低限の力はついています。最初に引くポンド数を決める基準は、「弓を引いたときに少しきつい、もしくは引けるくらい」です。軽すぎると意味がないため、少し重いか、これなら引けるかなくらいがちょうどいいです。
軽すぎるのがダメな理由は、
- 練習しているうちに弓を引ける体力がつくため軽く感じるようになる
- 弓トレや筋トレもやるため、体力がついて引けるようになるから
- 一定のポンド数まで上げる必要があるから
最初のポンド基準
男子:24〜26、28ポンド
女子:20〜24ポンド
実際に各ポンド数のリムをつけるか、リムボルトを締めてポンド調整後に引いてみて決めます。もちろん、人によっては基準よりも高いポンド数を引けることもありますが問題ありません。大切なのは「軽すぎず重すぎず、少し重いと感じるくらい」です。
自分の弓を買う?レンタルで借りる?
近射=実射となるため、自分の弓を買った方がいいのかな?と思いますよね。
近射のタイミングで自分の弓を買うかどうかは正直あなたのお財布事情次第です。ただ、すぐに全てを揃えるのは難しいため、もしレンタルで借りられる環境であれば借りることをオススメします。
理由は、弓具はレンタルで借りながら少しずつ揃えていくのが一番お財布に優しいからです。ハンドルかリムどちらか片方だけでもトップ選手が使っているものを揃えると軽く15万円くらいはします笑
ただ、そうは言ってもレンタルできる環境にない場合もありますよね…。
弓はリーズナブルなものを購入する
レンタルできない場合、いきなりトップ選手が使っているような弓を購入する必要はなく、リーズナブルな価格の弓を購入して全国大会や全日本選手権に出場するくらいのレベルになってからトップ選手が使っているような弓にするのがオススメです。
理由は、いきなり高性能な弓を買っても現時点では弓の性能を引き出すための技術が身に付いていないため、せっかくの弓を使いこなせない状態になります。これでは宝の持ち腐れです…。そうならないためにも、最初はリーズナブルな価格の弓を購入し、あなた自身の技術を磨き、レベルが上がってきてから変えるのはどうでしょうか。
ケロクマも今の弓(ATF)になるまで2、3回弓を変えています。一番最初は今はなきHOYTのExcel Proでした。そこからWINのVTに変え、ATFになっています。
矢は自分のものを購入する
近射=実射になるため、矢は自分のものを購入します。アーチェリー は1人1人に合った弓具と矢を使うため、他人の矢を使って射つことができません。また、腕の長さや肩幅なども人それぞれなので、自分専用の矢を購入する必要があります。
矢を買わないといけないのはわかったけど、カーボン矢とアルミ矢のどちらを買えばいいの?と思いますよね。アルミとカーボンでは矢飛びなども変わるため、個人的には最初からカーボンでもいいと考えています。
【最初からカーボンでいいと思う3つの理由】
- 近射をした後に少しずつ距離を射っていくため
- アルミ矢よりカーボンのほうが真っ直ぐ飛ぶこと
- アルミ矢を使っていると、距離にでた時に新たにカーボン矢を購入する必要があるため。
以上の理由から、個人的には最初からカーボン矢でもいいと考えています。あえてカーボン矢のデメリットを上げるならば、
【カーボン矢のデメリット】
- ちゃんと射たないと当たらない
- ヒビが入ったり、矢の内部で折れていたら使えなくなる
- アルミ矢と違い、取り扱いに気をつけないとすぐに曲がったりする。
もしカーボン矢を買うなら弓と同じでいきなりACEやACC、X10などのハイスペックな矢を使う必要はありません。カーボン矢であればEASTONの
あたりがオススメです。もし何がいいかわからなければショップの店員さんに聞いてみましょう。
例外:最初から全国大会などのトップを目指す場合
例外として、最初から全国大会などのトップを目指す場合は、良いモノを揃えることをオススメします。しかし、フルセットで良いモノを揃えるとハンドルとリムだけで軽く30、40万円します…。そのため、
【道具の揃え方例】
- ハンドルは良いものにして、リムはレンタルリムにし、残りのものは真ん中くらいのものを使う。
- ハンドルは少しランクダウンしたものにして、プランジャーやサイトにお金をかける
- リム以外は良いもので揃える
などの方法があります。正直、3つ目が一番お金かかります笑。現時点でリムだけ良いモノを買わないのか気になりますよね。理由は、ポンドアップの段階にあり頻繁にリムを変えるためです。
ある一定のポンド数に決まってからリムは購入します。
近射で意識すること
弓のポンドを決めたらいよいよ近射です。近射で意識することは、「基礎射形を意識しながら狙って射つ」ことです。
基礎射形にプラスで狙うことも意識するなんて、意識することが多すぎると思いますよね。でも、近射で狙いを意識するかしないかで今後あなたが上手くなるかどうかが分かれます。近射で狙って射つことが重要な理由は、距離と近射で射形に差を生まないようにするためです。
距離に行くと的を狙って射ちますよね。しかし、近射では的がないため狙わずに射つ。そうすると、近射では上手く射てるのに距離では上手く射てないということが起こります。近射で狙わずに射つと、近射と距離で射形が変わり、距離を射つときに射形に差が出てしまいます。
射形に差が出る理由は、近射では射形を意識した状態で射ち、距離では狙いに気を取られ近射のように射てないから。
近射と距離で差ができてしまうと、「距離で近射のように射てなくなります」。距離で近射のように射てなくなることに加え当たらないため、距離を射つことが嫌になって近射でひたすら射形修正に明け暮れる悪循環です。
サイトを使って狙う
いざ近射で狙って射とう!と言われてもサイトと的のどちらを見るんだろうと思いますよね。狙うときは的に照準を合わせて、その上にサイトを持ってきます。
【的に照準を合わせて狙う理由】
実際にやってみるとわかりやすいですが、サイトに目の焦点を当てて狙うのと的に目の焦点を当てて狙うのでは後者の方が狙いやすいです。
例えば、ゲームで何か獲物を狙って射つときに照準器にピントが合っていると獲物がぼやけて狙いにくいですよね。おそらく、自動的に獲物にピントがあってその中に照準器を合わせるというのがノーマルです。
狙うときは基本的に両目を開けて利き目で狙いますが、サイトが2重に見えてやりにくい場合は片目をつむります。このとき、利き目とは反対の目をつむります。利き目って何のこと?という場合はこちらの記事を参考に。
利き目でない方で狙って射つと矢が全く違う方向に飛んでいきます。理由は、違うところを見て狙っているのと同じだからです。こういったことを防ぐために先に利き目を決めておきます。
弓を持った時のチェックポイント
基礎射形にプラスで弓を持ったときにもチェックポイントがあります。チェックポイントが多すぎて嫌になりそうですが、一気にできなくても1つずつできればOKです。
ゴム引きではできていたのに弓を持った途端にできなくなる…。ということを防ぐために弓を持った時のチェックポイントを確認しておきましょう。
基礎射形のチェックポイントはこちら。
スタンス
両足を肩幅に広げ、つま先を結んだ線が的の中心に向かうように立つことができている。
取りかけ
- 人差し指、中指、薬指の三指を使い、つがえた矢を人差し指と中指の間に挟むように取り掛ける。
- 3本の指をかけ、中指が中心。手の甲は垂直で曲がらないようにする。
- 3本の指を第一関節にフックさせ、ずれないようにまた浅掛けにならないようにする。
- つがえた矢を人差し指と中指の間に挟むようにして取り掛ける。
グリップ
プレッシャーポイントと手首の中心を結ぶラインがグリップの中心線と重なっていること。
親指と人差し指の付け根で正確にプレッシャーポイントを押している。
セットアップ
弦を1/3引いたまま身体の中心軸を動かさないで両腕を持ち上げることができる。
【プレドローをする3つの理由】
- 引き手や押し手に張りを持たせ、セットをしやすくするため
- セットアップ後にドローイングの距離を短くするため
- 弓を持ち上げやすくするため。
サイトを的の上部につけ、引き手の肘は目の高さで矢の先端と一直線にする。
ドローイング
- セットアップ時に作った押し手の肩の位置を保ったままスムーズに引くことができる。
- 引き手の手の甲の向きを変えずに真っ直ぐに引き、手首がリラックスした状態であること。
アンカリング
- アゴの骨の下に引き手をしっかり入れ、アゴの先端をストリングと人差し指の交点を常に一定に固定する。
- アンカーで引きを止めずにそのまま最後まで小さく引き続ける。
- 弦が毎回鼻先の同じ位置についている。※
エイミング
- 右目で的に焦点を合わせ(左は左目)、その上にサイトピンを合わせたまま伸び合う。
- エイミングは3秒。時間をかけすぎないこと。
- 1、2、3、ポン!のリズムで射つといい。
リリース
取り掛けの指の力を抜くイメージをして弦を離す。
フォロースルー
- 押し手を真っ直ぐ的に向かって残す。
- リリース終了の形を2〜3秒保ってから終わる。
射つだけでなく、射形を見る目も養う練習をする
近射を始めたくらいの時期から射形を見る目を養う練習をします。
【近射の時点で射形を見る目を養う3つの理由】
- 射形のイメージ作りに役立てるため
- 自分の射形の違いに気づくため
- 上達スピードを上げるため
射形を見る目が養われると、以下のメリットが得られます。
- 射形の違いに気付けるため、なぜ当たっているのか、外れているのかが分かる
- あなた自身の射形修正に役立つ
- 後輩などに教えるときに役立つ
- わずかな射形の違いに気付くことができるため、射形の修正スピードが上がる
- トップ選手の身体の動きや使い方がわかり、真似したい射形を取り入れやすくなる
ただ見ているだけでは射形を見る目が養われません。しかし、『なぜこの射形で当たっているのか、なぜ外れるのかを考えながら見る』と選手ごとの射形の違いに気付いてきます。
射形を見る目を養う5つの方法
最後に射形を見る目を養う5つの方法を紹介します。
【射形を見る目を養う5つの方法】
- 定期的に射形の動画を撮り、お互いの良いところと改善点を言えるようにする
- 自分の射形動画を見て、良い点と改善点を書き出す。
- 動画を撮るのが難しい場合、ペアを組んで射形を見たり、全員で1人1人の射形を見る射形コンテストをする
- 先輩たちが射っているのを見る
- YouTubeなどでトップ選手が射っているのを見る
一番簡単な方法は、YouTubeでトップ選手の射形を見ることや、自分の射形を撮って何が良くて悪いのかを書き出すなどです。
一緒に練習している人やトップ選手との射形と比べてみるとより自分の改善点がわかります。
基礎トレに加えて弓トレも少しずつ取り入れる
近射をし始めたタイミングで基礎トレに加えて、弓トレも少しずつ取り入れていきましょう。今まではゴム引きでしたが、近射で弓を射ち始めたからには弓をコントロールできる体力が必要になります。
弓をコントロールする力をつけるには、弓トレが1番です。弓トレのやり方は以下の記事をご覧ください。最初は、2セットずつからスタートし、少しずつセット数を増やしていきましょう。
まとめ
初心者の育成方法③〜近射での練習方法とチェックポイント〜について解説しました。
近射をし始めた時期に基礎を確認しながら射てるかどうかで今後距離での上達が大きく変わります。
特に近射は距離も短く的がないため、狙うことを忘れてしまいがちです。そのまま狙わずに射ってしまうと近射と距離で射形が変わるため、狙うことを忘れずに射ちましょう。
次回は、30m以降の距離の伸ばし方や練習方法について解説します。
それでは、また次回ブログで!
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