こんにちは、ケロクマです。
- 弓を持ち上げるときに肩が上がってしまう
- 初心者がセットアップで気をつけることを知りたい
- セットアップのコツが知りたい
- アッパードローになってしまい、試合中に注意されたことがある
- サイトはどのタイミングで合わせたらいいかわからない
など、セットアップで肩が上がってしまったり、アッパードローになるなどで上手くいかずに悩んでいませんか?
実はセットアップの良し悪しで当たりが大きく変わります。
そんなセットアップごときで…と思うかもしれませんが、セットアップは弓を引き始める前の仕上げでもあります。
料理で例えると盛り付けの段階。どれだけ美味しいものができようと盛り付けがテキトーだと食べたいと思わないですよね。
それと同じで、セットアップが適当な選手ほど当たり外れが激しく、丁寧に出来ている選手ほど当たっています。セットアップが雑になければ外れることを知っているからですね。
そこで今回はセットアップを丁寧にして1点でも高い点数を射てるように初心者向けに「セットアップの基本とチェックポイント」を解説します。
さらに、セットアップでありがちなミスやサイトを合わせるタイミングなども解説。ミスが出てしまっても対処方法を知っているのでサクッと解決できますよ。
【今回の記事を読むメリット】
- セットアップの基本とチェックポイントがわかる
- セットアップのコツがわかり、肩から弓を上げなくなる
- セットアップが丁寧にできるようになって今より当たるようになる
セットアップ
セットアップとは、弓を持ち上げる動作のこと。
ただ弓を持ち上げるだけでしょ?と思うかもしれませんが、セットアップは丁寧にできるかで当たりが大きく左右する重要な動きです。
トップ選手をみてください。セット、セットアップは気にしながら射っている選手が多いですよね。当たりに影響するくらい重要な動きであることを知っているから気にするのです。
なので、ただ弓を上げるだけでしょと思っていると痛い目をみますよ…。
セットアップの基本
セットアップ基本は5つ。
- 弓を持ち上げる前に弦を少し引き(プレドロー)、グリップと取りかけの確認をする。
- 身体の中心を動かさないようにして両手を持ち上げる
- セットでまっすぐにした肩の位置を保ったまま弓を持ち上げる
- 弓を上げたとき、引き手のヒジは目の高さ
- 矢の先端から引き手のヒジまで一直線にする
弓を持ち上げる前のプレドローと取りかけグリップの確認は必須。
5つのなかでも特に重要なのが、1つ目の『弓を持ち上げる前にプレドローをしてグリップと取りかけの確認をする』こと。

プレドローをして取りかけとグリップを確認している。
セットアップが上手くいかない、テキトーになっている人は大体これができていません。

プレドローには取りかけとグリップの位置も確認する役割もあります。
プレドローをして取りかけとグリップの確認をせずに弓を持ち上げるのは、ジェットコースターの安全バーが下がって固定されていることを確認せずに発車させるのと同じ。実際にそんなことをしたら事故りますよね。
それと同じでプレドローもせず取りかけ、グリップの位置も確認せずセットアップしたら外れます。なぜなら、毎回同じ位置で取りかけ&グリップができていないから。
さらに、プレドローをしていないと引き手の肩が的側に引っ張られて肩が開きます。
引き手のヒジは目の高さまで上げること。
セットアップは引き手のヒジが目の高さにあることも大切。引き手のヒジを目の高さに持ってくるためには、押し手だけでなく引き手からも弓を上げること。
押し手だけで上げても引き手のヒジを目の高さまで持ってくることはできません。
矢の先端から引き手のヒジまで一直線
セットアップしたとき、矢の先端から引き手のヒジまで一直線にすること。もし、押し手が引き手よりも高いとアッパードローとみなされます。
のちほど詳しく解説します。
チェックポイント
セットアップのチェックポイントは5つ。
- 引き手のヒジが目の高さにあること。
- 両手で弓を持ち上げていること。
- セットアップで身体が的側に開いていないか
- 肩や身体から弓を持ち上げていないこと
- 弦を1/3引いたまま弓を上げているか
特に初心者のうちは肩や身体から弓を持ち上げてしまうことが多く、肩や重心が上がりやすいです。
ただ、そうは言ってもなかなか難しいですよね。そこで、セットアップのコツを3つお伝えします。
げんセットアップで肩や身体から弓を上げないコツ
セットアップで肩や身体から弓を上げないようにするには3つコツがあります。
- 弦を1/3引いたまま(プレドローをしたまま)弓を上げること
- 腕だけで弓を上げるイメージ
- 引き手→押し手の順で弓を上げること
弦を1/3引いたまま(プレドローをしたまま)弓を上げること
セットアップで弦を引いたまま弓を上げるには、引き手から弓を上げる必要があります。
なぜなら、引き手から弓を上げないと弦を引く余力がなくなるから。
しかし、引き手から弓を上げるには弦を引きつつ弓を上げるしかありません。その結果、弦を1/3引いたままセットアップできるのです。

さらに、弦を引いたまま弓を上げると、セットアップ後の引く距離も短くできます。引く距離が短くなればその分楽に弓を引けます。
腕だけで弓を上げるイメージでセットアップ
セットアップは肩や身体を使ってよいしょっと弓を持ち上げるのではなく、腕だけで弓を上げるイメージでセットアップします。
特に筋力が不足している初心者の人は肩や身体から弓を上げてしまいがち。ですが、押し手の肩が詰まってきたり重心が上がるなどでいいことは1つもありません。
肩が上がりやすいからこそ、腕だけで弓を上げるイメージでセットアップします。腕だけで弓を上げようとすると肩が下がり重心も上がりにくくなります。なぜなら肩を下げたまま腕だけを上げる必要があるから。

詳しくは【アーチェリー初心者必見】セットの基本とチェックポイントを画像22枚でやさしく解説をご覧ください。

私も腕だけで弓を上げるイメージでセットアップするようになってから押し手の肩が詰まってきたり重心が上がらなくなりました。
引き手→押し手の順で弓を上げること
セットアップはつい、押し手から弓を上げそうになりますが引き手→押し手の順で弓を上げます。なぜなら、押し手から弓を上げるとアッパードローになったり押し手の肩が上がりやすくなるから。
アッパードローになればセットアップを低くしないといけず、押し手の肩が上がれば重心も上がります。
もし、弦を引いていないと押し手からしか弓を上げることしかできず、結果的に身体や肩から弓を持ち上げてしまいます。

引き手から弓を上げて押し手が後からついてくるようにしてあげるとアッパードローにもならず、押し手の肩が上がることもありません。
アッパードローに注意!
セットアップで多いのがアッパードロー。
アッパードローは危険行為の1つになるため、もし気付かないまま試合に出ると審判に注意されます。
【アッパードローになる3つの理由】
- 弦を1/3引いたまま(プレドロー)弓を上げていない
- 押し手から先に弓を上げている
- 引き手が目の高さまで上がっていない
引き手が目の高さまで上がっていないと押し手の方が高くなり、アッパードローになりやすいです。
引き手が目の高さまで上がらない原因に押し手から先に弓を上げていたり、弦を引いたまま弓を上げられていないことがあります。
そのため、アッパードローになっています。

アッパードローを防ぐには、セットでプレドローをしたまま引き手から弓を上げること。引き手から弓を上げると押し手は後からついていくことになるため、アッパードローになりにくいです。
セットアップは低すぎるとキツイ。
セットアップの基本に「弓を上げたとき、引き手のヒジは目の高さ」とありますよね。
なかには別に目の高さまで上げなくても弓さえ上げれば引けるでしょ。と思った人もいるかもしれません。確かにトップ選手の中にはセットアップが目の高さまでいかずに引いてきている選手もいます。
ですが、セットアップが低すぎると弓を引くのがかなりキツイです。
【セットアップが低いデメリット】
- 弓を引くときに背中が使えない
- 楽に、効率よく弓を引けない。
- ほぼ水平で弓を引くことになるので引く力が強いか、腕力がないとキツイ
それよりも、セットアップで引き手のヒジを目の高さまで上げると、弓を降ろすときにかかる重量を使って楽に弓を引けます。
実際に腕を上から下に開くように降ろすと肩も下がることがわかります。これは人間の体の構造上、そう動くようになっているから。
Q:サイトはいつ的に合わせる?
A:サイトはセットアップから弓を降ろしてくるときに合わせます。
イメージは弓を上げて降ろしながら黄色につける感じです。サイトの合わせ方も人それぞれですが、今回は初心者向けなので基本の合わせ方を紹介しますね。
セットアップでサイトを合わせる方法
- 弓を的の上まで上げます(黒や白)
- 1で上げたところから黄色に向かって弓を降ろします。
- 弓を降ろし終わったときにはサイトが黄色についています。
動きのイメージはこんな感じ。

セットアップのサイトピンの動き。
基本的に弓はまっすぐ上げてまっすぐ降ろします。
①は最初から最後までまっすぐ上げてまっすぐ降ろしている動き
②は少し右側から上げて黄色へ降ろしてきている動き

初心者のうちは基本的に的に対してまっすぐ上げてまっすぐ降ろすことを意識しましょう。
Q:セットアップで弓を上げた後、弓はどこまで降ろす?
A:的の黄色につくところまで降ろします。
サイトはセットアップで弓を降ろしたときに黄色につけるため、弓を降ろす位置=的の黄色までのイメージでOKです。
補足:射つ距離によって弓を降ろす幅は変わります。
セットアップで弓を上げる高さはどの距離でも変わりませんが、弓を降ろしてくる幅(範囲)は距離によって変わります。理由は肩の高さ(角度)が変わるから。
例えば、70mなどの長距離射つときと30mなどの短距離ではサイトの位置が全く違いますよね。距離が遠くなればサイトは下にくるし、短くなれば上がります。
それと同じで70mなどの長距離を射つときは肩の角度が高いため弓の降ろす範囲も小さいです。

70mを射っているとき。
一方で30mなどの短距離を射つ時は肩の角度が下になるため、弓の降ろす範囲は大きくなります。
Q:腕返しはいつする?
A:セットアップで弓を降ろすとき。
猿腕で押し手の腕を返さないといけない人もいますよね。私も猿腕だったので押し手の腕を返していました。
弓を上げたタイミングで返す人もいますが、降ろしながら返す方が上手くいきやすいです。なぜなら、弓を降ろしてくるタイミングは押し手の肩を決めると同時に押し手を的側に押し出すため、押し手の腕も返しやすくなるからです。
さらに詳しく知りたい場合は、【アーチェリー】猿腕アーチャー必見!押し手の腕を返すコツと練習方法を解説をご覧ください。
Q:押し手の肩を決めるのはどのタイミング?
A:セットアップで弓を上から下に降ろしてくるタイミングで決めます。
厳密には、弓を降ろしてきてサイトが合ったタイミングで押し手の肩も決まっている感じです。
このタイミングで肩を決める理由は、弓を上から降ろしてくるときの力(重力)を使って決めると楽に肩を決められるからです。
ここで押し手の肩の決め方を詳しく書くと長くなるため、別記事にて解説します。
セットアップの良し悪しが当たりを左右する
繰り返しになりますが、セットアップが出来ているかどうかで当たりが大きく変わります。
なぜなら、セットアップは弓を引き始める前の最後の仕上げだから。
- サイトを的に合わせたり
- 押し手の肩を決めたり
- 腕返しをしたり
など、どれも引き始める前の最後の仕上げですよね。
弓を引きながらサイトは合わせられないし、腕返しもできないですよね。サイトを合わせようとすれば余計な力が入ってブレにもつながります。
そして、セットアップが適当な選手ほど当たり外れが激しく、丁寧に出来ている選手ほど当たっています。トップ選手でもセットアップは一番気をつけている動作。
セットアップが雑になければ外れることを知っているからですね。それくらいセットアップは当たりを大きく左右する大切な動きです。
最後に
今回はセットアップの基本とチェックポイントについて解説しました。
しつこいですが、セットアップの良し悪しで当たりが大きく変わります。そして、セットアップが上手くいくかは1つ前の動きであるセットが関係します。
セットアップが上手くいくか否かはセットで決まると言っても過言ではありません。それくらいセットとセットアップは密な関係にあります。
射形を修正するときと同じで1つ前の動きが出来ていないのに次の動きが上手くいくわけがないからです。もちろん、セットアップができていなければその後の動きも上手くいきません。
セットアップ後の動きが上手くいくためにも、適当にはせず1つずつ確認しながら取り組んでいきましょう。
それでは、次回ブログで!
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